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花を弄すれば香衣に満つ

「弄花香満衣」
(はなをろうすれば かおり えにみつ)
と読むそうです。

今日行った浦和のお茶室に、こう書かれたお軸が下がってました。

ちょうど今頃の時季、
野辺で手折った芳しい花の香りが、服に移ってた、なんて情景が、
ぱっと目に浮かぶような。
何て趣のある言葉なんだでしょう!とひたすら見とれてしまった。

もともとは、
掬水月有手 弄花香満衣
という対句で、漢詩の一部から抜粋されてるそうです。
両手で水をすくえばそこに月の姿が映り、花を手に採ればその香りが衣服に染み込む。
禅宗では、これを
他者(月・花)と自己の区別を越えた、自他一如の妙境としている用いるそうですが、
そういう難しいことは抜きにして。

この、秋と春の対比とか、自然と戯れる喜びとかその素朴な感じとか、
なくしちゃったものを、さりげなく広げてもらった気分になりました。
うーん、まだまだ精進しなくちゃ。
by voleurpolice0812 | 2008-03-15 23:01 | お茶の道
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