一炊の…

突然、お兄ちゃんが大好きだった考古学を悪用し始めた。
それは、遺跡の発掘に手伝いに来てくれた人のポケットからお金を掏ると言う、今時下手な詐欺師だってこんなんやらないよ、というぐらいお粗末な手口だった。私は何度か止めたのだけれど、兄の普段の人柄がとても良かったため、しばらくは露見しないで続いてしまった。
でもやっぱり限界があって、どうにも変だと思った人が兄を現行犯であぶり出した。ところが、兄は全てを私に被せて蒸発してしまった。ちょっとの間に被害総額はとんでもない額になっていて、掏られた人たちは遺跡への思いを踏みにじられたこともあって、本当に怒っていて、私は自分の生命保険のことを考えた。
何でそこまでしたかというと、私も、その遺跡の白い壁が好きだったから。
その夜は両親が遅くなる日で、キッチンには母が作り置きしたシチューのお鍋がぽつんとあった。私はそれを、わざと大きすぎるコンロに置いて、勢いよく火をつけて、その前で睡眠薬を煽った。火が鍋に、周りに燃え移る頃には、夢の中にいるままで死ねるだろう。

ていう、、、(長い上にダークでエグい)夢を見ました。正に一炊の夢。
もちろん私にお兄ちゃんはいません。

ちなみに、夢には続きがあった。
私は普通に夜中に目を覚ます。明らかに尋常じゃない火加減だったのに、シチューは焦げもせずにおいしそうな匂いがして、それだけでもう一度自殺なんか出来なくなって。
それで明日になったら、あの白い壁の前でみんなに謝ろう。あの人たちの怒りから逃げないで向き合って、少しづつでも返していこう。と、涙でしょっぱくなったシチューをすすりながら心に決めるの。

実生活でどんだけお金が気がかりなのか、うかがい知れる…
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by voleurpolice0812 | 2005-05-10 01:49 | 日々精進
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